擁壁(ようへき)の種類と解体方法を解説!撤去方法から解体前に知りたいポイントを解説  

皆さんこんにちは。神奈川県横浜市磯子区を拠点に、神奈川県・東京都・埼玉県・茨城県で解体工事一式を手掛けている株式会社ワンツースリーです。


ご自宅やマンション、ビルを解体しようとしたとき、初めて擁壁の存在に気がつく方も多いのではないでしょうか。その目的や構造、ましてや解体方法までを知る方は少ないと思います。


擁壁は、地盤と建物を支える重要な役割を果たしており、万が一倒壊するようなことがあれば、ご自身だけでなく、近隣住民にも被害を及ぼしてしまうものです。


現在の擁壁の状態を正しく見極め、安全でないと判断された場合は、擁壁の解体・建て替えを検討する必要があります。


そこでこの記事では、擁壁の種類と解体方法、解体前に確認すべきポイントについて解説していきます。

擁壁に何らかの異常があり、解体を検討されている方はぜひ参考にしてください。




■擁壁(ようへき)とは?種類と特徴



擁壁とは、高低差のある土地や斜面に建物を建てるときに、建物の重みで斜面が崩れるのを防ぐために造られる構造物です。


擁壁は素材や形状によって、鉄筋コンクリート造り・コンクリート造り・石造りの3つの種類に分けることができます。

それぞれに解体方法も異なるため、まずは種類ごとの特徴をみていきましょう。



・鉄筋コンクリート造りの擁壁

基礎部分を鉄筋で組み、コンクリートを流し込んで壁を造る方法が、鉄筋コンクリート造りです。

コンクリートは曲げへの応力(抵抗力)が弱い性質ですが、鉄筋を使うことで弱点を補い、強度を高めることができます。


鉄筋コンクリート造りは、その強度と安全性の高さから、今では擁壁の建築に最も多く使われている方法です。



・コンクリート造りの擁壁

コンクリート造りの擁壁は、別名「無筋コンクリート造り」とも呼ばれ、基礎部分に鉄筋を使わず、コンクリートだけで造る方法です。


コンクリートの重さを利用した「重力式」は、重い素材で造ることで、地盤からの圧力に対抗した造りになっています。この造りでは安全性を確保するために、擁壁の下部を前に出し、上部を奥に引っ込めることで斜めの形状にします。


それでも強度は鉄筋コンクリート造りに劣るため、地盤が不安定な場所には使用できません。


もう一つ、コンクリート造りの手法として用いられるのが「持たれ式」です。地盤が安定した場所に対して、それにもたれるようにコンクリートを打って形成します。


持たれ式は、基礎となる地盤が頑丈であることが必須条件です。



・石造りの擁壁

石造りの擁壁とは、本物の石や、石を模したコンクリートブロックを積み上げて造る擁壁のことです。


石の間にセメントやモルタルを流し込んで接合部分を強化する「練積み式」と、セメント等を流し込まず、石を積み上げただけの「空積み式」があります。


空積み式は、擁壁の種類の中で最も簡単な方法です。




■擁壁(ようへき)の撤去方法は?



擁壁の撤去方法は、擁壁の種類によって異なります。

コンクリートを使用した擁壁と、石を積み上げた練積み式擁壁に分けて解説します。



・コンクリートを使用した擁壁の場合

コンクリートを使用した擁壁には、基礎に鉄筋を使った「L型擁壁」と、コンクリートのみの「重力式擁壁」がありますが、どちらも「バースター工法」と呼ばれる解体方法がとられます。


バースター工法は、油圧ブレーカーを使ってコンクリートを静かに打破する方法です。近隣への騒音対策が必要な現場にも適しており、重機との連携作業によって、より効率的で静かな解体工事が可能となります。


ただし、こういった壁は、土面からの圧力が強力なために、壁を破壊することで急な土砂崩れなどがおきないよう、斜面の土留めをしながら行うことが大切です。


さらに「L型擁壁」であれば、土面に沿ってL型に成型された鉄筋が入っているため、土から剥がしやすいというメリットもあります。



・石やブロックを使用した練積み式擁壁の場合

練積み式擁壁には、石やブロックの間にセメントやモルタルを流し込む「練積み式」と、セメント等を流し込まない「空積み式」がありますが、どちらも解体方法に大きな違いはありません。


上部からショベルカーなどで少しずつ壊していく方法が一般的です。


練積み式擁壁は壁全体の接合強度が低いために、下部から壊していくと一気に壁全体が壊れたり、掘削した上の石やブロックが崩れ落ちたりする危険性があります。




■擁壁解体前に抑えるべき2つのポイント


擁壁の解体を検討されている方は、事前に2つのポイントを押さえておくと、スムーズに準備を進められます。

擁壁がどのくらい倒壊のリスクを持っているかをチェックすることが大切です。



・擁壁の耐用年数を調べる

擁壁の一般的な耐用年数は、鉄筋コンクリート造りと無筋コンクリート造りの場合で、30〜50年ほどです。


構造物である擁壁は、時間の経過とともに老朽化したり、雨や地震などによりヒビが入ったりします。耐用年数は擁壁の種類や厚み、立地環境などによっても変わりますが、20年を超えたあたりから劣化が早まる傾向にあるため注意が必要です。


ご自身が所持している擁壁が該当の築年数に達している場合は、一度専門業者に診断を依頼しましょう。



・擁壁の劣化状況を調べる

擁壁の劣化状況とは、ヒビ割れ(クラック)やつなぎ目のズレによる隙間、傾斜の発生などがないか調べることです。不安定な擁壁は、地震や台風などで倒壊してしまう危険性があります。


しかし、擁壁の劣化状況を自分で判断するのはなかなか難しいものです。そこで、国土交通省が住民の方へ向けて作成した「我が家の擁壁チェックシート」を使うことで、簡単に自己診断できます。


「我が家の擁壁チェックシート」は、国土交通省のホームページからダウンロードできる診断シートで、擁壁のタイプや周辺環境ごとにチェック項目が分かれ、総評点で擁壁の安全度がわかるものです。


総評点が5点未満でほぼ安定した擁壁、5点以上から9点未満でやや不安定な擁壁、9点以上で危険性が高い擁壁と診断できます。


総評点が「やや不安定な擁壁」とされる5点以上だった場合は、専門業者に正確な診断を依頼することをおすすめします。




・擁壁の正確な診断は専門業者に依頼

上記で紹介した自己診断で危険性があると判断した場合、または自己診断が不安な場合は、擁壁の調査・点検を行ってくれる専門業者に正確な診断を依頼しましょう。


専門業者に依頼するには費用がかかるため、まずは自分の目で確認することも有効です。


専門業者による調査では、目視点検の他に、打音点検・背面空洞調査・動態観測などが行われます。診断費用は業者によって大きく異なるため、必ず事前に確認してください。


擁壁の診断は、構造物調査を専門にする業者や地盤調査の業者、ハウスメーカーなどで請け負っています。





■擁壁の解体は実績豊富な株式会社ワンツースリーへ



擁壁の解体工事には、専門知識と技術が必要なことがおわかりいただけたと思います。


株式会社ワンツースリーは、建設業許可の中でも「特定建設業許可(特-3)第80722号」を取得している、実績豊富なプロの解体工事業者です。石綿取扱作業従事者や石綿作業主任者、石綿含有調査者など、多数の資格保有者も在籍しています。


鉄筋コンクリート造りのビルやマンションの解体も多く手掛けているため、ご自宅や会社の建物と合わせてご依頼ください。


解体工事で注意すべきは、解体業者と不用品回収業者を別にしてしまうことで、費用が割高になってしまうことです。解体と不用品回収のどちらも請け負える会社に依頼すれば、全体の費用を抑えられるだけでなく、さまざまな依頼や処理の煩わしさも軽減します。


株式会社ワンツースリーは、解体工事と不用品回収のどちらも行えることはもちろん、重機や車両を自社保有しているため、コストを大幅に抑えられます。


また、家屋や擁壁の解体では、近隣住民への配慮が不可欠です。弊社は可能な限り、騒音や振動が少ない工法を選んで工事にあたります。


鉄筋コンクリート造りの建物や擁壁の解体工事をご検討中の方は、ぜひ株式会社ワンツースリーへ、お気軽にご相談ください。