ガソリンスタンドの解体はなぜ難しい?解体の流れと注意点を解説

皆さん、こんにちは。神奈川県横浜市磯子区を拠点として、神奈川県・東京都内・埼玉県・茨城県などで解体工事一式を手がけている株式会社ワンツースリーです。


車社会を支えるのに、ガソリンスタンドは重要な役割を果たしています。しかし、燃費向上やエコカーの増加によるガソリン消費量の低下・若者の車離れ・少子高齢化などの影響で、ガソリンスタンドの閉店や廃業が急増しています。


一方で、閉店や廃業をしたガソリンスタンドが解体されず、建物がそのまま残っている店舗も珍しくありません。これには、ガソリンスタンドの解体工事が難しいことが一因となっているのです。


この記事では、ガソリンスタンドの解体が難しい理由や、解体の流れ・注意点などを解説します。




■ガソリンスタンドの解体工事が難しい理由


ガソリンスタンドで扱うガソリンや軽油は、引火性液体として危険物に分類されます。ガソリンや軽油の貯蔵タンクは地下に埋設されており、安全性を保つため巨大かつ頑丈に作られています。


ガソリンスタンドは、災害時に自衛隊の給油拠点になることがあるほど、揺れや火災に強い構造です。壁は防火壁となっているほか、貯蔵タンクの素材や厚みの基準もとても厳しくなっています。


解体工事を行う際には、スタンドの敷地内にある事務所・サービスルーム・看板・洗車機のほかに、貯蔵タンクの適切な撤去や処理も必要です。どの構造物も強度が高いうえ、貯蔵タンクに万が一火花や静電気などの火種が近づくと、爆発事故が発生する可能性もあります。安全に十分気をつけて作業しなければいけないことから、ガソリンスタンドの解体工事は非常に難易度が高いのです。


難易度の高さから、解体工事にかかる費用も高くなる傾向があり、300万円から1,000万円が目安とされています。さらに、30年から40年ほどにわたって経営していたガソリンスタンドの貯蔵タンクからガソリンが土壌に染み出ていると、ベンゼンや鉛などの特定有害物質により土壌汚染が発生している可能性もあります。


最近のガソリンには、特定有害物質はほとんど含まれていません。しかし、築年数が経ったガソリンスタンドの解体工事で土壌汚染が見つかると、解体費用は数千万円になるとも言われているのです。土壌汚染に対する適切な処理をしないと、その後の土地利用も不可能です。


以上の理由から、業者の選択や費用の工面が難しく解体工事ができないため、解体されずそのままになったガソリンスタンドが増えているのが現状です。




■ガソリンスタンドの解体方法と流れ


ガソリンスタンドの解体工事は、どのような流れで進められるのでしょうか。ここでは、工事の一般的な流れを簡単にご紹介します。



1.建物の内装を解体する

最初に、事務所・サービスルーム・整備室などの建物内部に残っている備品を撤去しましょう。解体費用を少しでも抑えるためには、自分で処分ができる備品をあらかじめ撤去することが大切です。備品の撤去後、壁紙や床材も撤去します。



2.キャノピーを撤去する

キャノピーは、ガソリンスタンドの上部に設置された大きな屋根部分です。重機を使ってキャノピーを撤去したのち、柱の基礎部分も解体します。



3.建物を解体する

キャノピーの撤去後、備品の撤去と内装解体を済ませた建物の解体を始めます。解体による粉塵や埃の飛散を抑えるために、散水や養生シートの設置などの対策も欠かせません。



4.貯蔵タンクを処理する

次に、地下に埋設されている貯蔵タンクの処理を行います。タンクの爆発を防ぐために、タンク内にガソリンや可燃性ガスが残らないよう、慎重に除去作業を行う必要があります。


バキュームカーなどを使って残っているガソリンを抜き取った後、タンク内を特殊な薬剤と高圧洗浄機による洗浄を行います。水張りやガス探知機などで、ガソリンや可燃性ガスが残っていないことを確認し、タンク本体を処理します。(処理方法については後ほど詳しく解説します。)



5.整地する

貯蔵タンクの処理が完了したら、現場に残っているコンクリートやガラスなどを除去し、土を搬入して重機で固め、整地を行います。




■ガソリンスタンドの解体工事で確認すべき注意点は?



ガソリンスタンドの解体工事では、危険物を取り扱っているという特性上、確認すべき注意点があります。それぞれの注意点について、しっかりと理解しておきましょう。



・地下の貯蔵タンクはどうする?

「ガソリンスタンドの解体方法と流れ」の項で触れた貯蔵タンクの処理方法は、完全撤去するか、もしくは埋め込みをするか、どちらかの処理が必要です。


完全撤去をする場合は、まず「貯蔵タンクを処理する」の項で解説した流れでガソリンを取り除きます。その後、タンクの中に不燃性ガスを詰め、可燃性ガスの発生を防ぐ処置をしてから、掘り起こして解体処理場まで運びます。


地中に埋め込むには、ガソリンが残っていないかを確認したのち、タンクの中に水や砂を詰めて上からコンクリートを流し込み、完全に固めてしまうのです。


タンクを埋め込んだ状態では、ガソリンスタンドを解体した場所への新しい建物の建築は禁止されています。しかし、完全撤去するよりも大幅に費用が抑えられるため、タンクの廃止工事のみを行うところも少なくありません。



・土壌汚染調査は義務?

環境省が定めた「土壌汚染対策法」では、特定施設の廃止時に法で定めた調査を行い、役所に報告する義務があると明記しています。ただし、特定施設であっても、全ての施設で土壌汚染調査が義務付けられているわけではありません。ガソリンスタンドは、特定施設に含まれていないため、土壌汚染調査は必須ではありません。


ただし、自治体によっては、条例で土壌汚染調査が義務付けられているところもあるため、事前に必ず確認しましょう。




■ガソリンスタンド解体には補助金がもらえる場合もある?


ガソリンスタンドの解体工事のうち、貯蔵タンクや配管を撤去する工事に対して、一般社団法人全国石油協会から補助金を受けられる可能性があります。補助金申請の要件や手順は細かく決められており、要件として「中小企業である」「財務状況が厳しい状態である」などが明記されています。受けられる補助金額は、補助対象経費の2/3であり、対象経費の上限額は1,000万円です。


補助金申請の手続きを希望する場合は、「補助金申請のための手引書」で詳しい要件や手順を確認しながら進めていきましょう。



・補助金申請を行う場合の注意点

補助金を受け取るためには、申請書を提出し許可書を得てから着工しなくてはいけません。工事着工後に申請したり、補助金交付が決定する前に着工したりすると、補助金を受け取れなくなるため、十分注意しましょう。



ガソリンスタンドの解体工事は、危険性が高いうえ高額な費用もかかります。安全に解体工事を施工するには、解体工事の経験が豊富な業者を選ぶことが重要です。


株式会社ワンツースリーは、特定建設業許可(特-3)第80722号を取得しており、年間解体工事実績数が180件以上ございます。豊富な経験を活かし、幅広い現場で対応が可能であるほか、工事に必要な各種申請許可の取得手続きも代行可能です。


また、近隣住民の方への対応・万が一のクレーム処理などには、迅速な行動をお約束いたします。廃棄物に関しても、中間処理施設と最終処分場とのルートを確立しておりますので、全て弊社で廃棄物の処理を承ります。


ガソリンスタンドの解体工事にどのぐらいお金がかかるのか知りたい・解体後に土地を活用できるか悩んでいるなどとお悩みの方は、お気軽に弊社までご相談ください。お見積もりやご相談は無料、グループ会社に不動産部門もございますので、まずは弊社へのご連絡をお待ちしております。